Tomoyuki Torisu 
長崎新聞が1996年から連載している「私の被爆ノート」に掲載されている被爆証言をもとに「原爆投下後の地獄絵」を制作した。
30段広告に描かれているのは、黒い塊。
そこに添えられたコピーは「黒焦げで、人とも物ともわからない。」。
それを読むと、その形が実は「人」であることがわかる。

ウクライナやガザでの紛争は長期化し、世界各地で分断が強まる中、核兵器使用のリスクは高まっている。トランプ大統領がイランの核施設を攻撃し、そのことを広島・長崎になぞらえた発言や、日本でも選挙の際に「核武装は安上がり」といった発言が問題となった。核兵器がもたらす被害を伝えていく重要性が増す中で、被爆者の平均年齢は86歳を超え、その体験の継承が課題となっている。被爆80年の節目の年に、核兵器がもたらす現実に目をむけてもらいたいと考えた。
30段広告の裏面となる15段広告では、白黒のシンプルなイラストで無数の黒焦げの遺体が散乱する光景を表現した。そのキャッチフレーズは「長崎は地獄だった。」。

街のあちこちに
黒焦げの死体が転がっている。
腐臭が漂い、
ハエがうるさくたかっている。
既に死亡した母親の
おっぱいを吸う赤ん坊。
「水をくれ」と叫ぶ声もむなしく
死んでいく人たち。
川は人や馬の死体でいっぱい。
まだ生きている重傷者にウジがわく。
地獄。
地獄絵。
生き地獄。
あの日の長崎の様子を、
多くの被爆者が
「地獄」
と表現している。
地獄を体験した人たちは、
核の力に頼ることを許さない。
被爆80年の節目を迎える今日、
被爆者の証言を読んでほしい。
あの夏の長崎を想像してほしい。
知ることが、地獄を遠ざける。
私たちはそう信じて、
被爆者の言葉を伝え続ける。
7つの5段広告では、「ガラス」「火葬」「川」「皮膚」「電車」「蛆虫」「親子」といった証言に頻出するテーマをもとに制作。目を覆いたくなるような当時の実相を、シンプルなイラストで可視化している。
また、今回の広告では、左下にQRコードを設置し、特設ページからそれぞれの「私の被爆ノート」を読めるようにした。サイトには30万PV以上のアクセスがあり、多くの人が当時の証言を読んだ。
企画制作:長崎新聞社、電通、電通九州長崎支社、Better、プラグ
スーパーバイザー:牟田雄一郎
CD+C:鳥巣智行
AD:江波戸李生
ファクトチェック:林田光弘
D:鑓田佳広、小島幸菊
I:fancomi
Web:牟田雄一郎、髙田優衣
Pr:福岡一磨、後藤洋平、永友 政彦
記事連携:三代直矢




































