式典会場となる平和公園の石畳を、原寸大で新聞一面にプリントし「新聞紙一枚分の式典会場」として各家庭に配布しました。新聞紙が式典会場だと想像することが、過去の出来事や、世界の現状を想像することにつながっていく。「想像力が抑止力になる」ことをコンセプトとしています。「黙とうが行われる11:02に間に合う」「人が立てるサイズ」といったメディアの特性を生かすだけでなく、全国のコンビニやPDFで紙面のデータを配布し、「#8月9日に想像したこと」の投稿をSNSで呼びかけました。
人種差別や、インターネットでの誹謗中傷、気候変動の問題など、2020年は多くの社会課題が表面化した年となりました。こうした現在世界の多くの人が直面している課題と、核兵器の問題の共通点にフォーカすることで、75年前の出来事を「現在の問題」だと捉え直してもらいたい。そう考えて「想像力」をテーマにした原稿を制作するに至りました。
92歳の高齢者から、地元のサッカーチーム「Vファーレン・長崎」のチームメンバー、生まれたばかりの新生児まで全国の人が参加し、当日は400件以上の「#8月9日に想像したこと」が投稿されました。今年長崎への修学旅行を予定していたにもかかわらず、コロナウイルスによって中止となった大阪府の中学校では、3年生149人が、新聞広告をつかって体育館で祈念式典を行いました。
Supervisor: Kazuma Fukuoka
Creative Direction+Copywriting: Tomoyuki Torisu
Art Direction: Rio Ebato
Graphic Design: Yoshihiro Yarita
Graphic Design+Illustration: Sakura Kosaka
Photograph: Noriyuki Yamagashira
Produce: Masanobu Takamura
Client: Nagasaki Shimbun